Kollmorgen TBM2Gフレームレスモータの小型ロータリーアクチュエータへの組み込み
電動ロータリーアクチュエータは、モータの回転力を伝達機構を介して回転運動に変換する装置です。 もっともシンプルな構成では、ダイレクトドライブモータを負荷に直接接続して使用します。 多くのロータリーアクチュエータにはギアボックスが組み込まれており、トルクは高くなりますが回転速度は下がります。 使用されるギアは、シンプルな平歯車や遊星歯車から、バックラッシュを極力抑えた高精度タイプまで、用途に応じてさまざまです。
ロータリーアクチュエータは、連続的に回転するように設計することも、特定の角度範囲内で動作するよう設計することもできます(サーボ制御やステッピング制御など)。この技術資料では、TBM2Gフレームレスモータをベースとした、最もコンパクトで高精度なアクチュエータの設計に焦点を当てて解説します。
KollmorgenのTBM2Gフレームレスモータを組み込んだロータリーアクチュエータアセンブリ
TBM2Gフレームレスモータの利点
TBM2Gフレームレスモータは、アクチュエータ本体に直接組み込むことを前提に設計されています。 モータ自体には独立したハウジングや取り付け構造がなく、モータはアクチュエータ本体側のベアリングによって支えられます。 そのため、全体の設置スペースを最小限に抑えたコンパクトな機械設計が可能です。 機械的な伝達機構が必要な場合でも、TBM2Gフレームレスモータなら各種コンパクトなギアと組み合わせて使用できます。
TBM2Gフレームレスモータと他のモーション部品の統合
TBM2Gフレームレスモータをベースにしたモーションシステムでは、アクチュエータの機能要件や設計上の制約に応じて、追加のコンポーネントを組み合わせます。
- フィードバックデバイス (必須)
エンコーダ(アブソリュート型またはインクリメンタル型。用途によって異なります)またはレゾルバがロータの位置をサーボドライブにフィードバックし、閉ループの速度および位置制御を可能にします。エンコーダ上のホールトラック、またはTBM2Gフレームレスモータに内蔵されたオプションのホールセンサーは、サーボドライブがモータに供給する電流を適切に整流するための情報を提供します。 - 温度センサ
TBM2Gフレームレスモータには、必要に応じて巻線温度を監視するための複数の温度センサーオプションが用意されています。 - ギアリング
TBM2Gフレームレスモータは、コンパクトでゼロバックラッシュの波動ギア、サイクロイド、スパー、遊星ギアと組み合わせて使用することもできます。 - ブレーキ
モータが無通電状態の間、保持トルクを供給し人や部品を保護するために、電磁ブレーキまたは機械式ブレーキが必要になる場合があります。TBM2Gフレームレスモータの性能は、ブレーキ部品に近接していても影響を受けません。 - アクチュエータ専用のシャフトとベアリング
TBM2Gフレームレスモータには、ステータとロータで構成され、ロータは結合する回転シャフトのベアリングで支持されます。アクチュエータ全体の設計を見直す必要はなく、ロータを追加する位置をシャフト上で決めるだけで使用できます。
さらに性能を高めるために
アプリケーションの性能を最大限に発揮するためには、いくつかの工夫や選択が必要です。そうした設計のポイントについて、Kollmorgenでは以下のようなサポートが可能です。
- ハウジング設計
フレームレスステータをアクチュエータに直接組み込む際は、支持材が熱を十分に放散できる必要があります。鋼鉄は熱伝導性に優れており、さらに優れているのはアルミニウムです。壁の厚さは最低でも4~6mm必要です。 - 熱検知
試作段階では、軸が要求のトルク/速度負荷ポイントで動作しているときにモータがどの程度熱くなるかを測定するために、線形サーミスタデバイスを使用する場合があります。 - 製造性を考慮した設計
アプリケーションの組み立てプロセスを徹底して理解することで、効率的で安全な製造ワークフローが実現され、コストと煩雑さが軽減されるとともに、アクチュエータの保守性も向上する可能性があります。 - 外部リソースの活用
設計や組立を自信を持って進めるために追加の専門知識やサポートが必要な場合、適切なリソースとの橋渡しをお手伝いします。